6/07/2023

アゲハチョウ観察日記⑥

昨日雨の中、幼虫たちの朝ごはんをとりに、レモンの葉を見ると、
またまたアゲハチョウの赤ちゃん幼虫(1齢)が2匹も、みつかりました。

あまり増えると、養いきれないな…と思いつつ、部屋に連れて帰りました。

ナミアゲハちゃんたちが召し上がるのは、柑橘系の葉だけなのですが、
我が家には、ちいさい植木ばかりなので、このままだと葉っぱがなくなってしまいそうです。

少しケチケチしながら、幼虫たちが生まれたレモンの葉一枚、新たに買った斑入りレモンの葉を一枚、サンショを2枚、
葉を収穫して大部屋にいれてやりました。

これで、新たなチビ幼虫2匹が加わり、5匹の幼虫ルームメイトになりました。

もとからいた3匹の幼虫たちには(成長して)、だんだんカゴが小さくなってきたようです。

その夜のことです。
幼虫たちの様子を見に行くと、一枚の斑入り葉っぱをめぐって、2匹が争っていました。
(幼虫たちの人気葉っぱは、うまれたレモンの葉っぱ→サンショ→新しい斑入りの葉っぱに変わってきています。)

もともと一匹が乗っていた斑入りの葉に、もう一匹が乗り上げてきたのです。
さらに、後からきた好戦的な幼虫の方は、きれい好きで、フンが散らかっているのもゆるせません。

前: こっちくんなや!
後: お前、斑入りレモンの独り占めはズルいやろ!あっ、おまえこんなところでよく過ごせるなぁ。フンを掃除しろ!!
(フンをポイポイしながら葉っぱを占領してきます)
前: やめろ!こっちくんな!

ついには、2匹は顔を顔でなぐる顔パンチをくりひろげ、大ゲンカ。
私は、やめなさい!と、仲介にはいり、別のレモンの葉っぱで2匹を遮り、もともといた方を個室に移動させ、お掃除もしてやりました。

後から来た幼虫は、普通のレモンを与えられ、ひとまず静かになりました。

ことの次第を見ていた、3匹目の幼虫は、
こんな恐ろしいところにおれんわ、と、
脱走を試みて、カゴをよじ登りだしました。

そして追随して、新入りのチビ2匹もカゴをよじ登りだしたのです。

私はひとまず、皆が怖がっている好戦的な幼虫も別の個室にうつし、
大部屋に葉っぱをいれて、逃げ出そうとした皆をまとめ入れました。

朝、起きて見てみると、個室の子たちはごきげんに過ごしています。やはりストレスが少ないのでしょう。人間と一緒ですね。

ところが、大部屋のチビが二匹のうち、一匹が、カゴの蓋の上まで脱走(小さいので、カゴの隙間をくぐり抜けたのです)。
昨日怖がって脱走を試みた、大きめの幼虫の一匹が、またまた脱走しようと、チビがくぐり抜けた隙間に顔を突っ込んでいます。
(でも大きくて、外に出るのはもう無理ですね)

ずっと顔を突っ込んだままじっとしているので、
新しい斑入りレモンの葉っぱでご機嫌を取ろうと、顔に近づけてやりました。
すると、なんと葉っぱに顔パンチ!相当お怒りの様子。斑入り好きやったのに…
それで、もともとのレモンの新しい葉っぱ(うまれた葉っぱ)を近づけてやると、
ゆっくりと、葉っぱをカジカジし、乗り移ってくれました。

チビたちも、皆大部屋にもどり、サンショを入れてやりました。
チビには、やはり、柔らかい葉っぱのサンショが人気です。
小さい頃から、好き嫌いなくなるよう、いろんな葉っぱを食べさせると良いと、どこかで読みましたが、またまた人間と一緒だな…と、思いました。


6/06/2023

アゲハチョウ観察日記⑤

だいぶ体が大きくなってきました。
アゲハチョウの幼虫は、脱皮を繰り返して大きくなり、ちいさい幼虫1〜4齢の間はこのような、鳥のフンに擬態したような幼虫です。
今、大きい2匹は1.5㌢くらいなので、3齢か、4齢くらいでしょうか。おなじみの緑の幼虫に変わるのが楽しみです。

大きくなるに連れて、食べる葉っぱの量も違うようなので、新たに柑橘系の苗木を注文中です。

さてさて、今日も朝からお部屋の掃除をして、朝ごはんを入れてやりました。
古い葉っぱは、乾燥してまるまるので、捨てたいのですが、どうやら寝床に気に入ってる様子。
まるまった葉っぱの中に、ミノムシのように入り込んで寝ています。
起きると、筒の間から顔をだし、かわいた葉っぱの端をカリカリと音をたてて召し上がっています。

新しいみずみずしい葉っぱを食べれば水分補給出来るらしいのですが…カリカリをよく食べています。

水滴を飲んでいる時があるので、のどが乾いているはず。
霧吹きをしてはいけないとあちこちに書いているので、筆の先にチョンと、(貯めてあった)雨水をつけて、葉っぱの、あちこちに水滴をつけておいてやると、
ゴクゴク飲んでいました。

可愛いです。

6/03/2023

アゲハチョウ観察日記④

忙しかったある朝、
さっと虫かごをのぞくと、レモンの葉には一番チビの幼虫、
サンショの葉には、それぞれに、大きめの幼虫が寝ていました。
(途中からレモンよりサンショが人気があり、おもに大きめ幼虫がサンショを牛耳っていました)

その朝は、幼虫たちのお部屋掃除も、新しい葉っぱもあげれず…夕方に帰ってくると、サンショの葉には葉っぱがほぼなくなり、、

なんと、一番チビが、2匹の大きめの幼虫にレモンの葉をのっとられ、虫カゴの角に追いやられてしまっていたのです。

前から、肩身狭そうに、葉っぱの端をかじっていたチビ幼虫。

それにしても、最初レモンの葉の上で、捕まえた時には、みんな同じくらいのサイズだったのに、食が細いと成長も随分遅いようです。

とにかく、このままではチビが弱ってしまうため、急遽、あらたな個室の家を、チビ用に作ってやりました。

人にもらったお花が入っていたカゴに、ティッシュをしいて、逃げないように、ガーゼをかぶせて輪ゴムで止めました。
移住して、ストレスから開放されたチビは、のびのびと、レモンの葉のまんなかを陣取り、もりもりと食べて数日がすぎました。

チビはカゴをよじ登れないだろうと、油断して、ガーゼの輪ゴムをはずしていたある日、なんと、
よく見るとカゴから抜け出し、カゴの手すりを元気いっぱいに歩いていました。

明らかにチビは大きくなっていたのです。
もとのカゴの、大きめの皆さんと比べてもびっくり、皆と同じサイズに成長しています。

そこで、もとチビを、もとの大部屋カゴに戻すことにしました。

しかし、たくさん食べるとこんなに一気に大きくなるなんて…そしてストレスから開放されると性格も変わるのですね。
幼虫には教わることが多いです。

ところで、葉っぱが水分を含んでいるから水やりをする必要はなく、
水を吹きかけてはいけないと、どこかで読みましたが、うちの子たちは葉っぱだけの水では不十分の様子…。
水滴がついた葉っぱを入れてやると、ガブ飲みしていました。
また水も、水道水では過去に弱って死んだ子もいたので、雨水を貯めたものをやります。
(私達は、どんな危険な水を飲んでるんだろう)

あたらしい葉っぱを切ってくるとまず、よく水道水で洗ってから(病気や虫が付いてる場合があるらしい)、
雨水につけてやります。食べ残しの乾燥気味の古い葉も、日さしに使えたりするので、
同じように水につけ、
一緒にカゴにいれてやります。

私の一日は、幼虫と植物におはようを言うところから始まります。
私は早起きで、みんな虫もまだ眠っているので、みんな起きた頃にはお掃除もされ、新しい葉っぱの朝食が待っています。

植物に加えてまた、可愛いルームメイトが増えて嬉しい。
元気にすくすくそだってね。

5/28/2023

アゲハチョウ観察日記③

仕事のあいまに、お掃除と、朝ごはん(葉っぱ)を差し上げます。最近はすっかり山椒がお好みの様子。刷り損じの紙をおいて作業。
幼虫が苦手な方は探さないように。
君たちはまったく…、上げ膳据え膳の食っちゃ寝生活ですね。


5/26/2023

アゲハチョウ観察日記②

柑橘系でも、見つけた時にとまっていたのと同じ葉っぱしか食べないという噂もあった、アゲハチョウの幼虫ちゃんですが、
昨日、山椒を、あたえてみたところ、みんな山椒に移動…。
(うちの子たちはみんなレモンの葉っぱの上で見つけました。)
美味しかったんかなぁ、気に入ってくれて嬉しいです。ヨカッタ

5/25/2023

アゲハチョウ観察日記①

庭の若いレモンの葉が何者かに召し上がられています。見てみると、アゲハチョウの幼虫…どこにいるか分かりますか?
毎年うちの庭で孵化して、戻ってくるのですが、まだ小さいレモンちゃんをまもるべく、幼虫をカゴで飼ってみることにしました。うまくいくかなぁ。

4/16/2023

足利市立美術館にてブラチスラバ世界絵本原画展

昨日4月15日から、栃木県足利市立美術館でBIBブラチスラバ世界絵本原画展がスタートしました🌷
売店にて『リパの庭づくり』とポストカードを並べて下さってます。
世界中から集まった素晴らしい絵本の原画に一挙に会える機会、お近くの方はぜひ足を運んでみてください🕊

Práve teraz začina výstava BIB na Ashikaga múzeum v Tochigi. Moja nová kniha "Lipa a jej záhrada" je tiež predane :) tešim sa 🌿

4/15/2023

ご来場ありがとうございました🌷


昨日で無事、京都東京2つの絵本の版画展が終わりました🌷
時には大雨の中、お越し頂いた皆様、貝の小鳥さん、レティシア書房さん、版元の皆様ありがとうございました。ご縁に感謝…。
次は、9月に京都の絵本屋きんだあらんどにリパを巡回予定🌿当分制作に籠もります🌿🐞虫と戯れるのに良き散歩日和


2/11/2023

3月シルクスクリーン版画展

🌸福井さとこ🌸
🌸シルクスクリーン版画展のお知らせ🌸




🌿東京・貝の小鳥
『リパの庭づくり』(のら書店)
2023.3/24(金)~4/9(日)火曜定休
時間:12時~18時(最終日は17時まで)
※在廊:3/24、25 
開店時間はおりますが、外出している場合もあるので、
お越しの際にはぜひお声がけください☆


🌿京都・レティシア書房
『ふたごのたまごとうさぎたち』
石津ちひろ・文(ほるぷ出版) 
2023.3/22(水)~4/2(日)月火曜定休
時間:13時~19時
※在廊:3/22、4/1、2
(26日は在廊できなくなりました。)
開店時間はおりますが、早めに帰る場合や外出している場合もあるので、
お越しの際にはぜひお声がけください☆


どちらの本も、原画(版画)は初のお披露目となります🌱
ポストカード、版画シートの新作の版画の初販売です。
東京は貝の小鳥さんと、京都はレティシア書房さんにて🌸
新刊本の販売もあります。おたのしみに🌸🌸

🌸『カティのおんがくかい3』もあります!🌸🎼
3月21日(祝)14時より
山村和美先生の作曲によるカティとつくりかけの家の新曲や朗読。
そして、ピアノとクラリネットの生演奏を間近で聞ける贅沢な時間です。お花見がてらぜひいらしてください。ご予約受付中!
皆様にお会いできるのを楽しみにしています✨

1/22/2023

新刊『ふたごのたまごとうさぎたち』刊行


うれしい たのしい はるがきた🌸
『ふたごのたまごとうさぎたち』石津ちひろさん文/ほるぷ出版さんから一足早く我が家に春が届きました。
ユニークなたまごがでてくるうさぎの新刊絵本✨🐇全国発売は1月下旬。
レティシア書房さん、きんだあらんどさんで予約注文頂きましたら私のサイン入れます🌸


1/02/2023

新年のご挨拶2023


あけましておめでとうございます🎍🐇 本年もどうぞよろしくお願いします✨

Šťastný nový rok!
Veľa láska a prijemne prazdneny …
Pozdravim všetkých od Japonska🌷

12/04/2022

優しい気持ち❄️


人から優しい気持ちを受けると、なんとも言えず心の底があったかくなり力がわいてきます。あったかいものから、あったかい連鎖がずっとどこまでも続いていくといいな。写真はスロバキアの友人のエミリアがつけた足跡❄️❄️🦊
絵は『カティとつくりかけの家』シルクスクリーン(版画)ポプラ社より


11/23/2022

クレクス先生のふしぎな学校 小学館世界J文学館 発売!


新刊『小学館世界J文学館』小学館より刊行です✨
私はp.92『クレクス先生のふしぎな学校』の挿絵をシルクスクリーンで制作しました🌟
奇想天外なポーランドのお話。ぜひたくさんの方に読んでもらえたら嬉しいです。

小学館の100周年記念、125冊の世界中の本が収録されています。
電子書籍ですが、立派なハードカバーで、全ページ、絵が盛りだくさんの詳細が書かれていて、読みたい本がてんこもりです🌟🌟冬休みに読むのにいかがでしょう〜〜。



そして、ただいま、きんだあぎゃらりいで、クリスマス企画展がスタート🎄
クレクス先生の原画を展示、販売もしております。

きんだあらんどに1冊、サンプルを置いておきますので、ぜひ原画とともに、見にいらしてください☺️🎁🦔🎄


▼全国の書店、Amazonなどでご購入いただけます。
『小学館世界J文学館』
小学館


11/09/2022

皆既月食


日本で見えてた皆既月食が7時間後にスロバキアで見えるのが、
改めて地球の法則の神秘だなぁと思う。

毎年元旦も先に日本があけ、
日本時間とスロバキア時間の2回おめでとうを言えるのが嬉しい。


1、2枚目は日本にいる私、
3枚目はスロバキアのミルちゃんから送られてきた写真🌕🌑 
みんなで天体見てる時間も好きです。


10/28/2022

『リパの庭づくり』全国書店にて発売

 

『リパの庭づくり』(のら書店)いよいよ刊行です✨ 

 スロバキアに住んでいた頃、ミルカというスロバキア人のルームメイトがいました。私にスロバキア語を教えてくれた友人で、未だに毎日のように連絡をとりあっています。

 ミルカはイラストレーターで、今芸術高校の先生をしながら庭師をしており、
お部屋は緑でいっぱい。私も植物が大好きなので、庭師の仕事の様子を聞いていると、
ツタは髪をカットするように切ってあげるとか、花にこうしてあげると元気になるとか、草ぬきについてなど、おしえてくれました。

 草は全部とってしまうと、虫たちが食べるのは、育てている園芸植物だけになってしまい、殺虫剤で退治するという悪循環になる。でも草を少しのこしておくと、虫たちは下にあるやわらかい草をたべ、おやすみもでき、人も幼虫や虫をむやみに殺さずにすむということ。
 この虫を食べに、てんとう虫やカマキリやハチ、カエルがやってきて、、ミツバチが受粉を促して、、鳥が花の実を運んで、、。
いろんな生き物がいる庭は、とても健康的に、美しく育っていきます。

『カティとつくりかけの家』(ポプラ社)でも、虫の家を作ってやると、そこにいろんな虫が棲むことで、生態系が整い、植物が健康になっていくという話がでてきますが、
そういった、スロバキアやチェコの、自然の力を活かした考えに以前から興味があり、今回のお話へとつながっていきました。

 今、時期的に長くひきこもって、庭仕事をする人も増えていることと思います。

 人とも自由に会えなくて、ふと寂しくなったりするかもしれませんが、
小さな庭から、地球規模でみんな繋がって、巡り、生きているんだという事を描きたくて、
この『庭師のリパ』(のら書店)を作りました。
今いろんな悲しいニュースや先の見えない世の中で、読んでくれる人の心に小さな幸せが届ければと願っています。

 この本は絵童話で、47ページ、フルカラーのシルクスクリーンという版画で作っています。のら書店さんが技法について、詳しくまとめてくださったので、
ぜひあわせてご覧ください。

🍀→のら書店さんの記事
🍀→リパの絵づくり・シルクスクリーン技法についてはこちら

🌸→朝日新聞の『好書好実』さんでインタビュー記事を掲載してくださっています。

この薄さの本の中に、早春から夏にかけて変わっていく花々を描いています。
(本の制作にあたっては、おばあさんの庭にどんな植物を植えるかなど、京都のまつおえんげいさんに、最初に相談にのって頂きました。)



 心を閉ざしてしまった庭好きのおばあさんに、主人公の腕のいい庭師のリパが、庭を通してまるで魔法のように全てをうつくしく変えていきます。

 今いろんな悲しいニュースが流れ、先の見えない世の中、
読んでくれる人の心に小さな幸せが届ければと願っています。

皆さまにお手に取って読んで頂けるのを楽しみにしています。
ぜひぜひ、お近くの本屋にお問い合わせくださいませ〜。

amazonでも予約受付中!
リパの庭づくり』のら書店